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建設業許可

<業種選択のはなし> その1

建設業許可の手続きでは,先ず,どのような内容の工事を仕事とするかによって,全部で29個ある業種(建設業の種類のこと)の中から許可を求めるものを選択しなければなりません。
建設業法(2①別表1)や国交省のガイドライン等に業種と主な工事の一覧が載っていますので,それを参考に選択することになります。
その際に参考となるお話をいくつか書いて参ります。

1 土木・建築の「一式工事」とは何か。

総合的な企画,下請業者等の指導,調整のマネージメントのもとに建築物を建設する工事が「建築一式工事」で,同様に土木工作物を建設する工事が「土木一式工事」です。「一式工事」は大型マンション建設で言うと「ゼネコン」が担当する工事です。
この場合に許可を取る業種は,「土木工事業」「建築工事業」となります。

2 上下水道の施設建設工事について

この工事は,その内容によって3つの業種の工事に分かれます。
➀上水道等の取水,浄水,配水等の施設及び下水処理場内の処理設備の築造,設置工事
⇒ 「水道施設工事」(水道施設工事業)

②公道下等の下水道の配管工事・下水処理場自体の敷地造成工事
⇒ 「土木一式工事」(土木工事業)

③家屋その他の施設の敷地内配管工事・上水道等の配水小管の設置工事
⇒ 「管工事」(管工事業)

これらの区分に応じた業種(()内に記載したもの)の選択が必要になります。

 

3 「吹付け工事」の意味の違いについて

「左官工事」(左官工事業)では,
⇒ 建築物にモルタル等を吹き付ける工事のこと

「とび・土工・コンクリート工事」(とび・土工工事業)では,
⇒ 「モルタル吹付け工事」と「種子吹付け工事」の総称で,法面処理のためにモルタルや種子
等を吹き付ける工事のこと

すなわち,①は建築系の,②は土木系のそれぞれ工事内容となります。

4 屋外広告物に関する工事の違いについて

① 現場で屋外広告物の製作,加工から設置まで一貫して請け負うもの
⇒ 鋼構造物工事業の「屋外広告工事」に該当します。
ですから,この工事内容であれば,「鋼構造物工事業」の許可が必要となります。

② ①以外の屋外広告物の工事は,
「とび・土工・コンクリート工事」の「屋外広告物設置工事」となり,
「とび・土工工事業」の許可が必要となります。

 

5 コンクリートブロックに関する工事の違いについて
この工事については,3つの業種に関連する工事です。その区分をみると,次のようになります。

①「とび・土工・コンクリート工事」(とび・土工工事業)でいう
「コンクリートブロック据付け工事」とは,
次のア,イの工事内容のことを言います。

ア 土木工事における規模の大きいコンクリートブロックの据付け工事
<例> 根固めブロック,消波ブロックの据付等

イ 建築工事におけるプレキャストコンクリートの柱,簗等の部材の設置工事等
※プレキャストコンクリート(PC)とは,工場生産で現場組立てのコンクリートのことです。
(このコンクリートを利用した工法をPC工法と言います。)

②「石工事」(石工事業)でいう「コンクリートブロック積み(張り)工事」とは
建築物の内外装として擬石等の貼付け工事,法面処理工事,擁壁工事としてコンクリートブロ
ックを積み,貼り付ける工事等のことを言います。

③「タイル・れんが・ブロック工事」(タイル・れんが・ブロック工事業)でいう
「コンクリートブロック積み(張り)工事」とは
コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等のことを言います。

②,③の区分としては,建築系のみの工事であれば「タイル・れんが・ブロック工事業」の許可,
土木系の工事を含むのであれば,「石工事業」の許可が必要になると思います。

 

このように,工事の名称は似ていても,業種によってその内容が異なってきますので,業種の選択に
は苦労するケースがあります。
殊に,私のように畑違いの公務員からの転身者にとっては大変です。
業種選択については,他にもおもしろい話がありますので,後日<その2>を引き続いて書いていきます。